蓼科山365日 10-21-19 千曲川の歴史を振り返って

令和元年の台風19号で甚大な被害を日本列島にもたらせました。特に長野県を流れる千曲川です。「あばれ千曲」の異名があります。その歴史を振り返ってみました。

千曲川は長野県川上村、埼玉県、山梨県の3県の境にある甲武信ケ岳にその源を発し、新潟県に入り信濃川と名を変え日本海に注ぎ込む。全長367kmの日本最長河川です。

以前から疑問があったが「小海町」辺りから地名に小海、海尻海ノ口、馬流、広瀬など「海や水」に関する名前が多い。また小諸辺りまで河川から切り立ったような絶壁が多く、その地層が新しい。

もし何万年も前から河川があるなら、河川の中の石は転がりながら丸く小さくなるはずである。地層も長年の雨風で削られ勾配がもっと緩やかであるはずである。

最近の研究によると、平安時代に小海町一帯で発生した山体崩落で千曲川がせき止められてできた天然のダムの規模が国内史上最大規模で黒部ダムの約2.9倍にあたり、その後決壊して、東北信一帯が大きな水害に見舞われたらしい。古文書に888年に信濃国で洪水があったとの記述がある。

このことから、当時辺り一面が海のように広かったところから、地名に「海」という字が使われたのではないか? また山が大量の水で削られたため地層が比較的新しいのではないか?と思う。

今でもところどころ小海線は絶壁の下を通っている。秋の頃の紅葉は素晴らしくきれいだ。近くに山城で史跡となっている「海尻城址」がある。

やはり太古から水に縁の或る地域なのでしょう!

 


森の人