蓼科山365日 10-17-19 紅葉雨

今年の秋の長雨と台風は、雨と共に色づいた葉を落ち葉にしてしまった。

いっそ「紅葉雨」(モミジ雨)とでも名付けたらどうか?
「モミジ雨」という言葉があるかどうかは知らない。

「一雨ごとに春めく」はよく聞くが、「秋めく、冬めく」は聞いたことがないが、確かに一雨ごとに寒さを感じて、「秋寒し」は実感です。

日本人は季節の移ろいに敏感なのか表現が多い。
「朝寒」「夜寒」「そぞろ寒」「漸寒」「うそ寒」「肌寒」......。

イギリスの小説家サマセットモームの短編「雨」は、東サモアパゴパゴが舞台ですが、南方の雨期特有の豪雨であると言われる。

「柔らかな英国式の雨とは似もやらぬ」無慈悲な、もの凄さのある雨である。その天からの洪水のような雨には、「自然の原始的な力が持つ悪意」のごときものが感じられる。

それ自身激怒しているとしか思えぬその雨は、「人を発狂させそうな執拗さ」で小やみもなく降りつづけるのである。

 


森の人