蓼科山365日 10-16-19 ススキの穂
まだまだ台風の爪跡が残り、裏の林道は雨で深くえぐられ
プチ.グランドキャニオン状態のまま.....。
季節は関係なく、一雨ごとに秋は深まっています。
今朝の気温は4度で今シーズン最低温度です。
ススキの穂も気のせいか哀れを感じる、もともと「ススキ=物寂しい」イメージがあるが、古来詩歌などに詠まれ日本の文化には欠かせない植物です。
原野一面に尾花が西日を浴びて波打つススキの広がりも美しいが、逆光の朝陽に白く輝き深まり行く秋を感じさせるのも格別です。
美術家、篠田桃紅さんは書いている;
「かるくなった穂が、風になびいて、ゆれて光るすすきの、名付けようのない色、私はそれをきわまった秋の色と思い、穂波のゆくえを見ている。こんなにもゆたかで、
寂しい色はないようなきがする」
森の人
紅葉ー四季の高燈台(タカトウダイ)
山野草の中には春、夏、秋とそれぞれ特徴をもって楽しませてくれる植物がある。
山菜にもなるし、紅葉を楽しませてくれるのもあり、また中には毒草もありと色々である。
この「タカトウダイ」は花の付き方がちょっと珍しい高山植物です。春には淡い緑の姿を、秋にはそれが紅葉するので楽しみになります。
茎の一番上にまるで燈台の光を周りに散りばめているような姿をしている。こんなところかい緑ら名が付いたのだろう。こんな可憐な姿をしていても毒がある。葉や茎などに傷がつくと白い樹液を出す。
乾燥した根茎を中国では生薬「大戟」(タイゲキ)と呼び、腎臓病のむくみの改善に古くから用いられているそうだ。
今まで見てきた毒草はほとんど漢方で生薬として有用に活用できるので、素人には毒でもその道の専門家には貴重な薬草になっています。
花言葉は字の如く燈台で「明るく照らして」。
森の人
蓼科山365日 10-14-19 案山子(カカシ)
今年の稲刈りは台風を避けて早めに済ませたところもあるようです。
田園を歩くと、あちこちで昔ほどでもないが稲架に黄金色の稲穂がズシリ掛かっているのを見かける。
そろそろカカシの役目も終わりになった。
なぜ「案山子」と書くのか?
「かがし」、ボロ布やイワシの頭を焼いたり、魚や獣の肉を焼いて串に挟んで畦道に立て、その悪臭を「かがせ」て鳥どもを追い払ったことから来ているとのこと。
「文部省唱歌にある「山田の中の一本足のカカシ」など、雀たちの群がる実った稲田に、縄に吊るした鳴子と一緒に、「へのへのもへじ」を書いた人間の立ち姿に似せた「案山子」を立てた。
現在のような人間らしい形に変わったのは、鳥や獣を脅かすというよりも、むしろ田の神として、田んぼの稲を守ってもらおうという気持ちの方が強かったようだ。
「案山子」が立っている光景はユーモラスで牧歌的だが、役目を果たして、そのまま残されている「捨案山子」は風雨に打たれて哀れで、秋景色がいっそう淋しく感じられる。
山口青邨
みちのくのつたなきさがの案山子かな
森の人
蓼科山365日 10-12-19 野分
今回の超大型台風は勢湾台風並みのようだ。
台風第15号(国際名:ヴェラ/Vera)は、1959 年9月26日に潮岬に上陸し、紀伊半島から東海地方を中心とし、
ほぼ全国にわたって甚大な被害を及ぼした台風。
当時、名古屋市に住んで居て、高校生だった。
被害は大惨事で友人の多くも犠牲者になった。
当時、長野県では近くにある諏訪大社の御柱に使うモミの神木に被害があり、今住んで居る地元の山より切り出したことがあった。
台風は上空の風に流されながら移動していきますが、地球は自転しているため、その影響から北へと向かう性質を持っています。
台風は北半球でのみ問題になっているが、南半球でも発生しているのだろうか?
元となる「熱低」は赤道付近か、赤道直下で生まれ北半球に昇って来るので、ないのか?
今年も海水温度が30度と高い為に異常発生しているらしい。
「熱低」は地域によって呼び名が違う、東南アジア付近では「台風」、インド辺りのベンガル湾やアラビア海では「サイクロン」、北大西洋、メキシコ湾やカリブ海では「ハリケーン」と色々。
日本では古来「源氏物語」にもあるように「野分」という素晴らしい文学的な言葉がある。野の草を吹き分けるほどの激しい風のこと! 最近はまさに「野分」です。
子供の頃、疎開先で「台風の目」の中を体験した。
渦を巻いている台風の中心(目)は、穴が開いたように雲のない場所ができている。
そこでは中心に向かって「反時計回り」に強い風が吹き、中心では空気が早く回転している為、その遠心力によって雲が外にはじき出される。
当時の記憶では、周囲は無風で、空は黄色く見えた!
無事、被害が最小限になる台風一過を祈っています。
森の人
蓼科山365日 10-11-19 季節の移ろい
「台風の前の静けさ」なのか、今日は無風で、どんよりとした空模様。不気味な朝を迎えています!
秋らしくなってきたのでしょう。
紅葉も一気に黄、赤、茶と変化しているようです。
日本は四季の変化がハッキリしていると言われる。その変化は直線的でなく、曲線的だともいう。
春から夏にせよ、秋から冬にせよ、移ろいはなだらかで、行つ戻りつしながら確実に変化する。
大陸のように、「ある日突然」に紅葉して秋の訪れを感じたり、冬の景色にはならない。
森の人